VAMP!ASH

THE Story is Starting ・・・

ああ・・どこで間違えたんだろう・・
なぜ・・いま私は此処にいるのだろう・・

運が悪かったのだろうか・・？
紅と黒を基調とした椅子にその身を横たえ・・・
大きな体の下で・・身を悶え・・不運を呪う・・・

・・ぱらぱらと石畳を叩く雨の中・・傘をわすれ・・
近道とおもい・・ふと裏路地に入ってしまった・・

もちろん・・足早にかけ抜けるつもりで・・

ただ・・つい・・・その声に振り向いてしまったの・・
あまりに甘い響きのその声に・・
そして視線の先には・・しろい肌の美しき人が・・・

「うら若きお嬢さんが・・無碍の体を冷やしてはいけません・・
・・さぁ・・こちらへ・・・。」

差し出された傘に身を寄せして・・
美しき人とその歩を進めるうちに・・・
家とは逆の方向へ・・

何かに吸い寄せられるように自らの脚は・・
あの屋敷の方へと自然に向かっていってしまう・・

屋敷へ導かれる前から・・
あがらう事など・・・無理とさとってしまう。

その方はの姿は白く・・美しすぎて・・
その吐息はあまりに激しすぎて・・
その指は・・あまりに甘美すぎて・・・・・



導かれるままに・・赤と黒の椅子に身をあずけ・・
されるがままに・・衣服をはぎ取られ・・・。

甘いささやきの中で・・・
脚にその牙をうちこまれ・・
紅い・・血を啜られる度に・・・
意図せず・体が震え・・
包まれる甘美な・・快楽に身をよじってしまう・・。

もう・・にげられないと知り・・
快楽と絶望の底に・・墜ちていくとき・・

指先に・・何かが触れた・・

もしもの時にと・・持ち歩いていたクロスの先が
溺れていく私に・・最後の希望をあたえてくれる・・

酔いしれる快楽に身をまかせつつ・・
希望にしがみつき・・クロスに・・
手をのばす・・・

そして・・・あと少しで握りしめられるとき・・
美しき人が・・身をもちあげ・・

私の体をグイともちあげ・・
その首に牙を打ち込む・・

ああ・・・・溺れてしまう・・
幾度となく・・押し寄せる快楽の波に・・
握りかけた・・クロスは・・・するっと床におちてしまい・・

Vampireに魅入られた私の・・唇から・・
もれる・・最後の・・言葉・・・

The Thirst　Bloodlines