VAMP!ASH

Start of side story・・・・

・・・・・ピ！ピ！ピ！
降下中の風の音に混じり・・シグナル音が耳に響きだす。

・・・・フィ？？現在位置を報告してくれ・・

んもう・・どうせわかってるでしょ・・？
目的地上空を降下中・・・わざわざ聞かなくてもいいじゃん！

・・・フィ・・・心配なんだ・・それに任務だろ！
何せ・・精鋭チーム6人も送って・・
そこにたどりついたのは・・君ひとりだろ・

そりゃ~そうだけどさぁ
なんで私がこんな惑星のしみったれた遺跡まで・・こなくちゃいけないの？
別に私じゃなくてもいいじゃん！

・・・そんなことないよ・・・
君だからこそ・・たどりついてるんだよ

もう・慰めにも何にもならならいわ・・
・・・・・遺跡に到着した！
なかにはいるわよ！



進入した！
やーん・・・じっとりしてる嫌な空気だわよ・・

・・・了解・・
データに異常なし・・・
ただ・・・活動時間はそうながくない・・・
気をつけてくれ・・

もう・・・・・そんなこといわないでよ・・
余計にお腹すくでしょ・・

古びた・・・遺跡の通路に紅いスーツを着た異星人が舞い降りてきた。
ゆっくりとした空気に混じる何か得たいのしれぬものが・・
少しづつうごきだす。
何かをたしめるように・・・・何かをみきわめるように
それ等は長き眠りからめざめ・・・
ゆっくりっと・・・小柄な紅い戦士を・・狙い始める




・・・なにも・・ないかも？
かび臭い・・だけよ・・？

・・・・データは正常だよ？
なにもないのはいいことだろ？
きになるのは・・活動時間だな・・

・・もう！さっきからそればっかり・・・？
大体、此処にくるまで携帯食料はなくなっちゃったのよ？
現地調達しろってたって・・
こんなところに生き物なんかいないわよぉぉ！

・・それはわかってるよ
既に死んだ惑星と遺跡だからさ・・
さっさと目的を・・・

オペレータｰのヘッドフォンに鈍い音が響く！

・・・ふぃろ！どうした！何があった！連絡！を！



だめ！それどこじゃないわよ！
何よ！これ・・！
獣？・・見たことないわ！こんな生き物！

紅い戦士の襲うその群れこそは
古の怪物！勝手は狼・・・そしてライカンと呼ばれる者達だ
群れを成し・・その腕は壁を軽々と壊し！
彼女にむかってその爪をふりおろす！


・・だめ・・こいつら・・銃も効かない！
ダメージなんかないわ・・・！

・・ふぃろ！さがるんだ！
そいつらはライカン！だ！
打ち倒すには銀弾がいる！

銀弾？なによそれ・・銃のパワーじゃないの？？
そんなのもってないわ・・

襲い掛かる太い腕に何度も吹き飛ばされて！
アーマーもはぎとられていく・・
もはや・・・体も言うことさえきかなくなってくる。

・・フィロ！活動限界だ！
補給しないと・・崩壊するぞ！！
すぐに・・・・フィロｰテース！

・・だめ・・体が・・うごかない・・
もう・・我慢できない・・・・・・・・。

・・・の・・喉が渇く・・・・。
・・・・・・・・・血・・がほしい。



崩れ落ちる寸前・・・
小さな体に刻まれた一族の衝動がよみがえる！

咆吼が！上がる！
その口もとに見えるわ！
あの忌まわしい白い牙！

もはや戦士としての姿などなく！
本性を晒したVampireがライカンの首に噛みつく！
そこにあるのは・・
飢えたひとりのVampire！！

真っ赤にそまった口から血を垂らす
その足下に崩れ落ちるライカン・・

満足げに口元をぬぐうVampire
それを合図のように・・ライカンは・・その姿をけす

なに？
こいつら？
私をみとめた？
・・・・Vampireだから？

ライカンが・・・去ったその先の狭い部屋に
脚をふみいれたフィロｰテース。

そこにあるには・・古き棺・・・・
そこに刻まれる・・・・一つの名・・

ピローテス・・・・・・。

・・・棺の蓋に手をそえて・・・
フィロｰテースが・・・つぶやく・・

・・・母さん・・・・。

そして・・棺の中からもれる・・一つのことば・・・

The Thirst bloodkines